特別講演会のご案内です。

講演タイトル
「『源氏物語』はなぜ「不敬」を書くことが出来たのか」

 『源氏物語』の主人公光源氏は、たんに才能と美貌だけで栄達を遂げた人物ではなかっ
た。父帝の後添え(すなわち義母)藤壺との密通によって生まれた不義の子が即位し、
その後見役でもあったことが権力の源泉でもあった。しかしながら、この皇統の紊乱と
も言えるストーリーは、天皇を絶対君主として規定した明治憲法下、皇国史観のもとで
、「不敬」と見なされ、昭和十年代になって、歌舞伎座での上演が中止されたり、谷崎
潤一郎の『源氏物語』訳では、藤壺と光源氏の関係、および不義の子に関する部分は削
除というような事態をもたらすことになった。
 それならば、『源氏物語』が書かれ読まれた平安時代の宮廷では、なぜそのような物語
が許容されたのだろうか。
 そこには、近代国民国家における天皇観と、宮廷という閉じられた空間における天皇観
の違いがあったと考えられる。その点について、私見を述べたい。

※講演会終了後のYouTube配信については未定です。

講師:今西 祐一郎氏(九州大学、国文学研究資料館名誉教授)
1946年生まれ。京都大学文学部卒業
静岡女子大学、京都府立大学、九州大学を経て、国文学研究資料館館長(2009~2017年)。現在、九州大学、国文学研究資料館名誉教授。専門は日本古典文学。

日時:10月3日(木)18時~19時半 予定
   ※講演会終了後、場所を移動し交流会を行います。
場所:久留米大学福岡サテライトオフィス

また、福岡ペン倶楽部会員以外の方も「無料」で講演会は参加いただけます。
学生の方も歓迎です。

参加ご希望の方は、下記フォームよりご入力の上、お申込みください。
交流会も参加ご希望の方は、メッセージへ記入をお願いいたします。
皆様のご参加お待ちしております。