投稿者:岸本 隆三

 東名高速道路など中日本高速道路管内の一部料金所で7日、自動料金収受システム(ETC)が利用できなくなる障害が16路線、96か所で発生、渋滞やそれに絡む事故も起きた。ETCシステム改造作業が関係していると見られ、同社管内でのETCの大規模トラブルは初めてという(読売新聞)。デジタル社会は省力化が進み便利になったが、いったんトラブルが起きると影響は広範囲に及び、復旧には時間がかかる。といってももう元には戻れない。高速道路など有料自動車道の料金徴収をスムーズに行うにはETCなしにはできない。
 3月下旬、九州で全区間無料自動車道と車線拡張で無料から再有料化された自動車が開通した。機会があったので走った。
 無料自動車道は宮崎県都城市から鹿児島県志布志市を結ぶ「都城志布志道路」(44㌔)。都城インターチェンジ(IC)-乙房IC間(5・7㌔)が2月、志布志IC-志布志港IC間(3・2㌔)が3月23日、自動車道の両端が相次いで供用開始され、全線開通した。
 3月29日(土曜日)午前、宮崎市の宮崎西ICから東九州自動車道に入り、清武ジャンクション(JC)で宮崎自動車に進入して都城ICで下車。料金所から少し行くと都城志布志道路に入る。無料なのでもちろん料金所はない。片側1車線だ。まだアスファルトは黒い。農地には何を植えているのか分からない。ところどころに畜舎が見える。対向車線に車体に「くみあい配合飼料」と書かれた独特の形をしたトラックが何台も通る。鶏舎が近くにあるので静かな運転をという看板も見た。日本有数の畜産地帯を走っているのだ。
 やたらとICが多いのだ。2005年、最初に末吉IC-松山IC(4・2㌔)が開通、今回まで実に12回、細切れに開通しているからか。無料なので料金所もいらないためなのか。後で調べると16、7あるのだ。志布志港ICがどこかはっきりしない。志布志ICを過ぎてから自動車専用道路ではなく一般道も混じっていた。とにかく志布志港の新若浜国際コンテナターミナルまで約40分だった。
 初めての同港の大きさに感動した。北側の埠頭は多くのサイロが並び、さっき見た資料トラックがドンドン出入りしていた。大阪と結ぶ大型フェリーも停泊し、さらに北の埠頭は輸出用と思われる原木が積まれている。都城のみならず、熊本、大分までが同港と直結され、同港の価値が一段と高まるとともに志布志、(宮崎県の)串間、都井岬観光は熊本、福岡からは近く、便利になる。
 2車線を4車線化して、再有料化となって、3月30日開通したのは福岡都市圏と筑豊地域を結ぶ国道201号八木山バイパス(13・3㌔)の篠栗IC(篠栗町)-筑穂IC(飯塚市)間5・7㌔。
 話は少しそれるが、私が「八木山峠」を知ったのは、50数年前、五木寛之の小説「青春の門(筑豊篇)」による。中学生の伊吹信介が東京の音楽大を卒業後すぐ赴任した女性音楽教師の梓旗江を単車の後ろに乗せて初めて飯塚から博多に行く時に越えるのが、八木山峠なのだ。それだけなのだが、鮮烈に記憶に残っている。小説も私が初めて越えたのも九十九折の国道だった。
 それが1985年、バイパスが有料道路として開通、運転も楽になり、時間も短縮された。普通車で530円。高いと言って(実際やっぱり当時は高かいと思っていた)避ける人もいたが、2014年償還が終わり無料となった。有料自動車道が無料になることはあるのだ、と最初に知ったことだった。ところが交通量は福岡都市圏の成長とともに増え、さらに無料となって拍車がかかった。最近は福岡市から筑豊地区のゴルフ場に行く時にしか使わないが、午前7時台には大渋滞だ。イライラするのがいやで避けて一般道を利用したりしていた。
 4車線化後の4月2日(水曜日)の午前6時半過ぎに通ると何とガラガラ。時間が早かったためか、4車線化で多くが早め早めに通るのを止めたのか分からない。ゴルフ友達は有料化ではないかと推測する。有料といっても普通車は280円と以前の半分近くで安いのだが。私はたまにだが、毎日の往復となるとやっぱり違うのかな。
 私は大いに利用したいし、残り区間の4車線化も急いでもらいたいと思っている。ETCは3ゲートのうち追い越し車線側に一つついている。少ない。(4月7日)