投稿者:岸本 隆三
郵便料金が10月1日から値上げされた。定形封書はこれまで25㌘まで84円、50㌘まで94円だったが、一括して50㌘まで110円(25㌘までだと3割アップ)と大幅に上がった。にもかかわらず、読売新聞9月30日二面の「10月 変わる暮らし」では簡単に触れただけだった。昨年12月に総務省が情報通信行政・郵政行政審議会に定形封書の値上げを諮った時、さらに日本郵便が今年6月に値上げを発表した際にも報道され、もう分りきったことだったからかと思ったが、63円から85円に値上げされたはがきとともにデジタル社会の進展ですでにその役割が低下したためだろう。
値上げは人件費、燃料費の高騰などだが、一番は郵便物の減少だ。同紙などによると国内の郵便物は2001年度の約262億通をピークに減少し、22年度は144億通とほぼ半減した。
特に年賀はがきは2004年用の44億枚がピークで、24年用は14億4千万枚、来月売り出される25年用は10億7千万枚が予定され、ピーク時の四分の一だ。
請求や口座からの引き落とし通知などはほとんどが電子メールだ。郵便を希望するには料金を徴収というのが多く、勢い郵便は来なくなる。郵便は役所からと証券会社とパートナーへの物販などのダイレクトメール。値上げ前から郵便離れしている。
調べてみてこんなに年賀状が減っているとは思わなかった。すごい。そう言えば、最近は売り切れました、というのはないなー。年金生活も10年を超えると出す年賀状は半減した。もちろん届くのも同じ。最近は電子メールやLINEが増えた。その上今度が最後と書かれた「年賀状じまい」の出現。長年虚礼のやり取りで疲れたのかな(笑)。習慣的に年賀状をやり取りしてきた高齢者が年金生活になったり、亡くなったりしてドンドン減ってきたのだ。
小さいことだけれど、郵便物が減っている原因をもう一つあげたい。日本郵便は消費税増税による引き上げを除けば、封書は1994年以来30年ぶりの値上げと言っているが、この間に普通郵便やはがきの土曜日配達を止めている。これはサービス低下という値上げだろう。
そのためか。以前に比べて相手に届くのが遅くなった感じがする。週初めに出した普通郵便でも大阪以東だと4日ぐらいかかり、週末が挟まると1週間ぐらいはかかっている感じだ。先日、新潟県長岡市に大分県の離島から出した宅配便は福岡市から1日前に投函したはがきより1日早く届いていた。
郵便ファンである。
もう切手収集帳がどこにいったか分からなくなったけれど、小学生のころは人並みに切手収集をしていた。虚礼が好きなのか小学生の時から年賀状は出していた(笑)。高校時代ほんの一時期つけていた日記帳から好きな女子生徒からの年賀状が出て来た。7円に寄付金1円の賀状だ。また、京都市と神奈川県茅ヶ崎市の女子高生と文通をしていた。ラブレターもよく書いた。先日出て来た大学時代の先輩女子からの手紙は15円切手だった。いずれも半世紀以上前だ。比較すると今の料金はそう高くはない。
郵便を利用している福岡ペン倶楽部の機関誌の送付や勤務していた会社のOB会の連絡や会報の送付などは数が多いだけに値上げは痛いことは痛いが。
役割が低下しても、まだまだ、10年前に四国遍路で知り合った後期高齢者の好漢と文通し、礼状は絵はがきなどで出している。年賀状は15の春から転居を続けたこともあって、「元気でやっている」との連絡も兼ねて、もう60年以上続けている。今年もまだ元気だから、約150枚は書こうと思っている。暑い暑いと言っていたが、年賀状の発売ももう間もなくだ。(10月11日)