投稿者:岸本隆三

 21日、高校の同級生から誘われて別府市で1泊のゴルフ旅行をした。せっかくだからと翌日、渡ったことがない保戸島(津久見市)に行こうと津久見港の桟橋に着いたら、何と強風で連絡船は午前中欠航、午後も分からないという。仕方がないので、ここまで来たならと近くのJR津久見駅まで散歩。駅は同市出身でシンガーソングライター伊勢正三のヒット曲「なごり雪」のモチーフになったと言われる。歌をイメージするものはなくさびれたローカル駅だ。ホームの案内板に近くに市指定天然記念物のウバメガシがあるという。小さい公園の真ん中にドーンとあった。7年前に、四国遍路を歩いた時にずいぶん見たが、これほどのもの(胸高周囲1・5㍍)はなかった。四浦半島突端まで走り、指呼の間にある保戸島を眺め「こんなに近いのになぜ架橋しないのか」と考えた。帰りに赤崎に寄って神社境内いっぱいに広がるアコウを見学した。
 東九州道津久見インターから大分自動車道経由、太宰府インターで福岡に帰って来た。この季節の自動車道はいいのだ。道路両側は「山笑う」なのだ。クスなどの若葉の薄い緑からスギなどの濃いものまで様々な緑が混在、さらにスダジイの黄土色の花がこんもり混じる。さらに野生のフジの花、キリの花もあるのか紫色が点々としてあきない。黄砂かPM2・5か、遠くがうすぼんやりしているのが残念だったが。
 翌日の23日も好天気。家でボーっとテレビではもったいないと花や樹木を見ようと舞鶴公園(福岡市中央区)に出かけた。
 減量も目的として約30年前から「巨木ウオッチャー」「巨樹ウオッチャー」と称しては大きな木を見に行っていた。クスは大分、見た気がする。そして遍路の際、ウバメガシに興味を持ったことや知り合った同じ歩き遍路の鎌倉市のHさんが植物に詳しく、いろいろ教えていただいたことで、一段と深まった。
 同公園ではフジが丁度満開でお祭りをしていた。ボタンは終わり、シャクヤクが咲き始めていた。ヤエザクラはほぼ終わりで、今年のサクラはやはり早いと感じる。そしてハリエンジュ(ニセアカシア)の2本の大木の白い花が満開。これも遍路で知った花だ。
 クスやケヤキは識別でき、タブノキもほぼ分かるようになった。しかしエノキとムクノキはよく識別できない。どうかするとケヤキと間違えることも。Hさんはエノキとムクノキの見分け方を葉の比較で左右非対称の葉を見て「エッ」と驚き「エノキ」と憶えるといいと言っていた。エノキは左右非対称なのだ。もっとも「アッ」と驚いてはいけないが(笑)。
 今回、訪れて気付いたのだが、多くの木に名札が下がっていた。これはいい。出て来ない名前に悩むこともなく、すぐに分かる。今回は名札のお陰で「ムクロジ」も憶えたような気がする。自宅近くの愛宕神社(福岡市西区)の森の木にも最近、名札が付いている。名札には説明もあり、「愛宕の森と緑を守る会」とある。市民団体だろうか。全く知らないが、ありがたく、感謝している。センダンと書かれた大きな木もある。室見川の左岸にも大きなものがポツンポツンとある。もう少しすると紫の花を付ける。名札がなくても分かるが、ないとどうかすると名前を思い出せない。(4月25日)

舞鶴公園の満開のハリエンジュ(4月23日撮影)